世界一嫌われた町を、世界一すごい町に

今日は念願叶いまして、僕の古里、相馬市で講演をさせていただきました。

小泉武夫先生の前座講演ですが、相馬での取り組み、想い、これから相馬市の農家が目指すべき方向を、相馬市の皆さんに僕なりに話しました。

ここ最近このような機会をたくさん与えて貰えるようになり、人に想いを伝えるということの難しさも当然感じておりますが、何より僕自身が話しながらさらに成長している気がしております。

これからもこのようなチャンスが頂けましたら是非お受けしますので、どうぞ皆様、宜しくお願い致します。

▶︎コンタクト
大野村農園 Facebookページ/ホームページ

(2017. 3. 19)

-講演会ではどんなお話されたんですか?

相馬の若手農家がどんな想いで復興を考えているのか、というところですね。
一言に復興といっても世代によって考え方も違いますし、外に向けた発信も多くて地元を置き去りにしているような感じもありました。

そしてなにより、相馬の人が相馬の良さに一番気づいていないと思っていたので、ふるさとの良さをふるさとの人に伝えるチャンスだと思いました。

 

-どんな方が、講演会にいらしたんですか?

講演会に来てくれた人は僕のこと、大野村農園のこと、僕が育てている相馬ミルキーエッグ(※菊地さんが育てている鶏の卵の商品名)のことを知らない地元の人がほとんどでした。 それでも帰り際に何人も「農園を見に行きたい」と言ってくださって、実際に見学に来てくださったご年配の方もいました。農園を見学しながら終始「懐かしい」と言って感動してくださいました。僕もその方の思い出話を聞いて、「昔の農家の生活」こそが「食育」なんだと再確認できました。

これからも農家はただの食料生産者なのではなく、人も育てられる教育者だということも伝えていきたいです。

 

-「人を育てること」も「伝えること」も農家の役割の一部なんですね。

そうですね。
福島県、相馬市という地名は世界一嫌われた地名になりましたが、これからも「相馬は世界一の場所だ」ということも伝えていきたいです。そのために相馬から世界に誇る農産物を世に出したいと考えています。

 

-「相馬は世界一」とは?

今までは、気持ちで「相馬は世界一だ」と言ってる部分がありましたが、地域とのつながりを深めることで確信に変わってきました。

僕は鶏の餌を、手の届く範囲で自給しています。自分の畑でとれた芋や豆や、相馬のお米や魚のアラなどを与えています。最近は相馬の海から揚がる魚の良さを再認識しました。あらためて、相馬は魚を餌として使う養鶏に向いている土地だと感じました。漁業と農業がつながれば、世界一の卵も生み出せるんじゃないかと思っています。

 

-なるほど。相馬の海と里が力を合わせることで、世界一にだってなれる。

漁業と農業が本当の意味でつながれば、その中間にいる旅館や料理屋、学校や子どもたちも巻き込んで、町全体が一つの大きな輪を描くことができると思っています。それができたら世界一の循環を生み出す町になることができる。 これを「相馬」がやるんです。

世界一嫌われた地でこれができたら、それは世界一すごい町になるんじゃないでしょうか。

 

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Writer

福島県相馬市

菊地陽子

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