今年は暖冬。だから農家はギャンブルだ。

父ちゃんのつぶやき

暖冬ですね。いまだに昼間は半袖・長袖シャツの重ね着で過ごせたり、コタツ無しでも生活できています。畑ではテントウムシが飛んでたり、雑草もグイグイ育ってます。

暖かければ良さそうなイメージかもしれませんが、季節外れの天気はいつだって良くはないですね。季節通りに進んでもらわないと、いろいろと狂っていってしまいます。

市場では冬野菜の値段が暴落してました。

暖かさで早く太ってしまった大根とか白菜が大量に入荷するのに、「暖かいから鍋って気分じゃないよね」ってことで店頭での動きは鈍ります。市場では需要と供給で値段が決まるのでバランス崩壊です。出荷自粛(ようするに畑で廃棄です)もやってたようです。

ところで、この時期の大根とか白菜など冬野菜の種まき時期は夏の後半から秋にかけて。収穫時期から逆算して、出荷を切らさないように計画してます。

うちの様な多品目、直接取引であってもそこは同じです。これが、けっこう「アタリハズレ」があって面白いんですよね〜ギャンブルですよ。

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だいたいこんなイメージです。

だんだん寒くなってくる秋・冬の野菜は、すこし遅く種まきすると収穫時期のズレは種まきの遅れ以上の開きができます。最初に播いたら2回目は10日後、3回めはその5日後、そうすると収穫はコンスタントに続く、例えばそんな風にやってます。

消費の鈍る12月前半出荷分は抑え気味、ボーナス・クリスマス・年末商戦向けに12月後半を狙うとか。いろいろ作戦立てるわけです。

だけど今年は暖冬の影響で年末分の畑がすでに出てしまってるのです。

一気に品目も増え、とんでもない忙しさでした。さいわい竹林畑は市場の値段は関係ないので嬉しい悲鳴だったのだけど、困るのはこれからの年末。お客さんには「もうないです・・・」と謝るしかないわけです。

去年、初の小松台の冬を経験してあまりの寒さに12月の出荷は諦めようかと思ったほど。そんなわけで11月出荷を中心に置いてたので、完璧に打撃を受けてしまいました。

もしかしたら秋の種まきが遅れてしまったとか、暖冬を見越して後半の種まきに賭けた農家さんはこれから笑いが止まらない、のかもしれません。

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この時期の雑草は寒さと強風に耐えるため、背を低く地を這うような形になります。だけど、いまだに花が咲いたり、上方向に伸びたり。今さら紅葉が綺麗だったり、落ち葉が積もらなかったり、自然もへんな調子です。

 

野菜にももちろん影響が。

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ふつうこの時期になれば、雑草と同じで糖分を蓄え、地に這うような形に変わっていくはずのほうれん草。いわゆる「寒締めホウレンソウ」とか「縮みホウレンソウ」になります。

12月に入っても上方向に伸び、新しい葉っぱも出ています。
甘みはそこそこ出始めたけど、なんかもの足りないな〜
傷みがないので見かけはきれいなんですけどね。

おしまいにキャベツ畑。

すごくいい感じに見えますが、これは4月に収穫予定の春キャベツ。なんかもう巻き始めて一月もすれば収穫始まっちゃうんじゃないかという勢い。

冬越しの野菜は冬の間は地上部の生育は止まり、暖かくなってから活動再開。春に種まきするよりも早く収穫できるという作り方です。

定植した後もそのまま育ち続けています・・・

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(2015.12.15)

Writer

大分県由布市

竹林諭一

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