田倉柿（干し柿用渋柿）

田倉柿は、大阪とその周辺地域で古くから栽培されてきた渋柿で、干し柿づくりに向いた伝統品種です。果肉が締まり、乾燥させることで甘みがしっかりと濃縮される性質があり、加工後は深みのある甘さと素朴な風味が引き立ちます。水分が抜けても形が崩れにくく、しっとりとした舌ざわりに仕上がる点が特徴です。また、種がほとんどなく、食べやすい干し柿になります。 当園の田倉柿は、古くから受け継がれてきた木が実らせています。現在は丁寧に手入れを施し、摘蕾や摘果を適切に行うことで、田倉柿が持つ本来の大きさと品質を安定して引き出しています。 昨シーズンには、この柿を当園で加工して干し柿として販売し、ご好評をいただきました。風味の良さから加工に向いた性質を持っており、ご家庭でもしっかりとした甘みが引き出せます。 病害対策としては、必要最低限の殺菌剤のみを使用し、散布前には木の周囲をしっかりと除草して、飼育しているニホンミツバチが飛来しないよう細心の注意を払っています。過度な施肥は行わず、柿の木がもともと備えている力を活かしながら、自然の条件の中で健やかに育つよう管理しています。 干し柿づくりにそのまま使っていただけるよう、吊るし干しがしやすい形で収穫しています。加工の工程を経ることで、田倉柿ならではの深い甘みがゆっくりと引き出されていきます。晩秋から初冬にかけての季節仕事として、ご家庭での干し柿づくりをお楽しみいただければ幸いです。 （※渋抜きは行っておりませんので、生食には適しません。）