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商品説明
「こんなもの育てて何の意味があんだ。」
収穫を迎えた今日この日でさえ、祖母は僕にそう言いました。
かつて相馬にあったという相馬唯一の伝統野菜、相馬土垂(そうまどだれ)。
なぜその相馬土垂が表から姿を消したのか。
僕が生まれてもない時代の話であり、そのときの話を知っている人もわずかになってしまったこの町で、当初、もう一度相馬土垂を表舞台に出すことは厳しいとも思いました。
それでも諦めたくないのは、僕が生まれ育ったこの相馬の先人たちが代々受け継いできたものなら、僕らの代で終わりにするわけにはいかないと思ったからであり、なにより震災のことも、農家の担い手不足のことも、若者の伝統文化離れのことも含んだこの地の復興に、必ず必要だと確信していたからです。
こんなもの育てて何の意味があんだ。
そう思ったのはうちの祖父母だけじゃない。
相馬市中のかつて栽培に関わっていた皆がそう思ったと思うし、そう直接僕に言いました。
皆がその程度の想いだからこそ誰も表立って栽培しなくなったし、他県から扱いやすい品種が出たよと聞くと相馬土垂を棄ててまで他県の品種に鞍替えしてしまう現状でした。
それでも大きく栽培している農家はいなくなっても、細々と家で食べる分くらいはと親から受け継いだタネを特別な想いを持つわけでもなく
持ってた農家さんがいてくれて、そこにたどり着くまで大変でしたが、ようやくまた僕らがタネを増やして表立って相馬には相馬土垂があると公表できるまでになりました。
植物は、その地に馴染むという性質を持っています。
それは一年や二年の話ではなく、何年も、何十年もかけてその地でタネを採り育て続けることによって、その地の気候や土に合う形や味へと変化します。
その歳月がやがて伝統になり、その地だけの伝統野菜になります。
相馬土垂をかつて栽培していた六十代のおじいさんは「少なくとも私のおじいさんの代からはやっていた。それより先はわからない。」と言いました。
相馬土垂が名前として認定を受けたのは昭和三十年代とも言われています。
しかしこれは認定の話であって、その前から当たり前に農家は栽培していたであろうから、もしかしたらわかった範囲でも七十年から百年近くこの地で守られてきたものなのかもしれません。
これだけのものが僕の故郷にはあり、僕の目の前で失われかけようとしていたのだから絶対に守らなくちゃいけない。
失った時代はやり直すのにまた同じ年月を使うことになる。
そうならないように、僕らはこの地のタネとこの地を守ってきた先人の想いを必ず次の世代に繋げます。
こんなもの育てて何の意味があるんだなんてもう誰にも言わせない。
相馬には相馬土垂がある。
他県からもそういった話が聞こえるほど僕は自分の故郷を胸はって広めていきたい。
#おいも
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- サトイモは湿気を嫌いますので新聞紙などに包み、冷暗所にて保管し、お早めにお召し上がりください
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