たそがれ野育園　ご入園パスポート（とんぼ組大人1名様分）

この度、たそがれ野育園の取り組みが 第6回　環境省グッドライフアワード　実行委員会特別賞・森里川海賞を受賞しました。 受賞者は、すでに各所から視察を受けるくらい実績の知られた取組みや、全国に展開しているプロジェクトか、ビジネスとして成立している(経済が回っている)ものが授賞しているような感じでした。その中で、一農家の取組が審査の目に留まったというのは誇らしいことだと改めて感じています。 この賞をきっかけに、野育園のような営農の仕組みが新しい農業のありかたのモデルにしてくれる農仲間が出てくると嬉しいです。 優秀賞を受賞された取組みの事務局をされているご住職とのやりとりで、野育園について「子どもたちの居場所ともなり得るかもしれませんね」とお話しいただいたことが印象的です。 これまで内へ閉じていた田畑を外へ開くということには、そういうさまざまな可能性が秘められているのだなと改めて気づかされた指摘でした。 最優秀賞を受賞した徳島県上勝町のゴミゼロ活動の方が、最後に舞台上、環境省事務次官の隣で、「トップから降りてくる政策も大事だが、ローカルからはじまる取り組みこそ社会を変えていく」と仰っていたことです。あの場にいたみんなを勇気づけたような一言でした。 ・・・・・・ もともとは、菊地家のなかで子育てもできる農的暮らしを目指して取り組んできた「野育園」ですが、これは社会にひらいて、誰もが農的暮らしに入っていけるような入り口として整備したほうがよいなと思うようになりました。農は「子育て」を受容でき、社会の歪みを吸収できるような弾力を持った仕事であり場（空間）だと思うからです。 いざ、食べ物の安全や美味しさを伝えようと思うと、農薬のこと、肥料のこと、種子のこと、土のこと、水のこと、想いと手間をかける時間...どこを切っても断面でしか伝えることができずに、暮らし、生き方、そのものを伝えていく必要があると考えるようになりました。 あるひとつの作物の一側面である「収穫物」は次の年の種になり、その種は大切に受け継がれまた育まれていくことになります。また、「食料」はその人の細胞と入れ替わり血肉となりその人そのものを構成することになります。いわば、すべてのプロセスの連続が今であり、その過去の暮らしの連続が私であり、自然であり、社会です。 野育園に参加していただいている人類学者の石倉敏明さんは食べ物と食べ物を生み出す環境を通じてこう言い表しています。「私たちの内臓は口腔を通じて下界とつながっている。内部だと思い込んでいる世界は実は外部で、外部もいわば自分とつながっている臓器、すなわち外臓である」と。暮らしの環境は私のようで私ではない他者のようでありながら、この社会や自然環境はすなわち私である。こうした相互関係を「農」で切り取られた断面から滲み出し、暮らしの一部となるような仕掛けで再構成する必要があると考えます。 「食べる」ことの裏側にある暮らしや農的佇まいを、一年を通じて、秋田の四季を通じて伝えたい。一年の半年が冬であるこの雪国ならではの暮らしの陰陽がここにはあると思っています。 田畑での外仕事がひと段落したら、雪が降ります。 雪深く人暖かい、魅力的な未来の暮らしを創造していくために。 野育園はこれから冬のてしごとワークへと移行していきます。 餅つきに、しめ飾り、手前味噌仕込みに菅笠づくり…。 私たちの暮らしの内側から変革を起こし、農的感性から社会をrevisionできる仲間が増えていくことを願って。 たそがれ野育園 http://tasogarenoiku.strikingly.com そんなたそがれ野育園への1年間有効パスポートとなります。クラスは初心者向けのとんぼクラスでお米の自給体験ができるほか、関連イベントに参加することができます。当地までの旅費交通費はご負担いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。