私は、生まれ育った土地で小さな養鶏場を営んでいます。 　養鶏のきっかけは、中島正氏の「自然卵養鶏法」を読んでからです。自然卵とは、鶏に自然の恵みを充分に与え、薬剤を与えず、健康な鶏から産まれた卵で、昭和三十年代まではどこにでも見られた伝統的な農家養鶏の卵です。工業型養鶏の大規模化により激減した農家養鶏ですが、４０年前に書かれたこの本の著者は現在の日本の状況が見えていたかのように、いずれ大規模工業型養鶏が打撃を受けることを指摘していました。近年、動物福祉・環境保全の問題として畜産業が話題になり始めました。私は、今こそ先人達が築いてきた伝統的な養鶏を復活させ、未来に繋げなければと強く思っています。　 　自然卵の重要な事は、空気・日光・水・大地・緑草です。そして薬剤を与えなくても自然の恵みで鶏の健康を守ることです。私は、平飼いで飼育し放牧場を設け、新鮮な空気とのんびり日光浴できる環境の中でたっぷりの野菜や雑草を与え、水は岩根山の清らかな地下水を与えています。飼料は可能な限り地産地消とし原料は町内で調達したり、県産の原料を購入し、それらを醗酵させることで、腸内環境を良くし免疫力の向上に繋がります。抗生物質、人工添加物等は一切使用していません。 今後は飼料用穀物等の自家生産をめざしてします。鶏糞を活用した自然循環型農業で作った原料を与え有機卵を実現する為です。健全なる卵は健全なる鶏からをミッションとしています。 日常の食生活を通じて皆さまの健康・幸福に貢献したいという思いでさらに精進してまいります。