栃木県大田原市

後藤啓介

YOZE FARM

アスパラガス、米(コシヒカリ)

◆はじめまして、YOZE FARMの後藤です
私たちは、栃木県北部の那須の山々の麓にある大田原市で主にお米(コシヒカリ)とアスパラガスを作っています。YOZE FARMの由来は、圃場があるところが、私が生まれ育った大田原市余瀬(よぜ)というところで、そこから美味しいものを発信したいという思いから名付けました。

◆中国での仕事をして辞め、思い切って就農しました
2013年4月。中国にいた私のもとに母から、「お父さんが前立腺がんで、あちこちに転移してて命がないです。」と突然の連絡がありました。
私は、大学を卒業後、オンライン上のドラッグストアを運営する企業に就職し、当時は、中国の西湖で有名な杭州に駐在中でした。ちょうど帰任が決まったタイミングで、日本に戻り、その後2014年6月までは東京で働き退職し、実家の大田原に戻り、父に教わりながら農業の第一歩を歩み始めました。それまでも、田植えの時期には手伝いをしたことがありましたが、それ以外の農作業をするのは、全くのはじめて。サラリーマン時代に身につけた感覚と様々な局面で異なり、父に対しても反発していました。なんとかその年の稲刈りも終えたころ、なんと父が下半身麻痺になってしまい歩くことができなくなってしまいました。翌年の田植えの準備などは、どうするのか、私一人でやるの?もちろん、私がやるしかありません。ベッドの上から携帯で父に指示を仰ぎながら、見よう見まねで、慣れない農業機械を操り、田植えを終え、収穫の時期を迎えるところまでこぎつけました。その間、農業機械の修繕費で100万円以上もかかってしまい、これは農業を辞めなさいと神様が言っているのかなと、思うほど気持ちは追い詰めらていました。もちろん近所にも、もともと一緒に農業をしていたおじさん達がいらっしゃったので、その方たちからも、たくさんアドバイス頂いたのは言うまでもありません。
そんな矢先、2015年8月、稲刈りを迎えることなく父は亡くなりました。亡くなる数日前に、病院からの帰り道、私が運転する車の助手席で、田んぼの状態を見て回り「これなら大丈夫だ(稲刈りできる)」と一言口にしました。この時、なんとか父にも認められたかなと目頭が熱くなりました。ちょうどその年の稲刈りを終えた冬に、いろいろな方に相談し、新規でアスパラガスを栽培することを決断しました。当時、約10ha程の圃場でお米を作っていましたが、半分の5haに圃場を整理し、アスパラガスに労力を割けるようにしました。私は兄弟がいないため、いずれは自分がこの土地をなんとかしないといけないときはくると、幼少期から頭の片隅にありました。少し想定とは異なりましたが、若いうちの方が、体力もあるし、リスクも取りやすいと考え、思い切って就農しました。ちょうど31歳になったばかりのときでした。

◆生産物・地域の紹介
私たちの圃場は、栃木県大田原市余瀬というところにあります。合併前は、栃木県那須郡黒羽町というところになり、地名が示すように那須の山々の麓に位置する農村地帯です。肥沃な那須野が原の大地と、鮎で有名な那珂川から流入する那須連山でろ過された伏流水、そこに朝夕の寒暖の差も手伝って、農業をするにはたいへん恵まれた地域です。昔から私の圃場の近くは、お米の栽培や酪農が盛んなところということもあり、お米と堆肥をふんだんに用いるアスパラガスを現在、栽培しています。みなさん馴染みのあるお米の評価基準の特A評価を、連続して取得している地域でもあります。また、上質な堆肥が手に入るため、甘みの感じられるしっかりした味のアスパラガスの生産も盛んな地域でもあり、鮮度がよいことで市場からの評価も高いのが自慢です。

◆生産のこだわり
出来るだけ微生物の力を借りて作物の生育のサポートをしようと考えながら作物の管理をしています。私個人としては、作物を育てていると言うよりも、作物自身の力で育っているのを支援するといった感覚の方が、食物生理に合っているように感じています。もちろん、肥料をあげたりはしますが、それが、どのように作物が吸収していくのか。たとえば、人間で言えば栄養ドリンクを飲んで一時的にハイの状態にするよりも、日々少しずつでも栄養を摂取しし、体調を良い状態にする方が、長い目で見ると良いのではないでしょうか。それと同様に、肥料を上げる際は、すぐに吸収しやすい肥料は控えめにし、少しずつ吸収できる肥料をあげるようにしますし、ゆっくり肥料分を効かせるために有機質のものを中心に管理しています。また、味の決め手の一つになるのは鮮度だと考えているため、できるだけ新鮮な状態でお手元に届けられるよう収穫後の管理にも気を配っています。

◆今後の展望
現在は、お米とアスパラの2品目の栽培ですが、今後は他の野菜や果樹も視野に入れて栽培をしていきたいなと考えています。もちろん、すべての基礎には、作物自身が力を発揮できるように、微生物の力を最大限に借りて栽培管理をしていきたいです。

日々の作業やできごとをInstagramやfacebookページで更新してますので、ご覧頂けましたら幸いです。