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藤田清隆

滋賀県高島市

藤田清隆 | 菜の花米 盛盛

✤菜の花✤育ち☆減農薬 菜の花米☆近江米コシヒカリ

滋賀県高島市で、‘Mother Lake’ 琵琶湖を出来るだけ汚さない様に、農薬は初期の除草剤だけにとどめ、肥料は菜の花緑肥と自作のぼかし肥料を使い、化学合成肥料、殺虫剤、殺菌剤不使用で環境に配慮した持続可能な稲作の取り組みをしています。 菜の花を緑肥にした《菜の花米》は美味しいですよ♪ 《菜の花米は菜の花の養分を吸って「への字」に育ちます》 慣行栽培では田植えの時にたっぷり肥料を与え、穂が出る前にも穂肥を追肥します。稲が肥料を吸って葉の色が2回濃くなるのでV字稲作と言われます。 菜の花米の田んぼは田植えの時に肥料をやりません。 秋に菜の花の種を撒き、早春に辺り一面に咲き誇る✤菜の花✤の景観をたっぷり楽しんだ後で田んぼの中に鋤き込み、緑肥という肥料にします。 気温の上昇とともに、微生物がこれを分解してくれて生育の中期頃に一番肥料効果が現れる「への字稲作」という作り方です。人間で言えば中学生から高校生の一番お腹が減る時期に腹一杯ご飯を食わせ、身体の基礎をしっかり作るような事です。 また、への字の山と重ねる様に、田植えからちょうど1月経った頃に追肥をします。この追肥は、なたねの油粕と米糠で作った自家製のぼかし肥料です。 ぼかし肥料ってなに? と思われた方もいらっしゃるかも知れません。実は米糠や油粕などの有機肥料からは、作物は直接栄養を取り込むことが出来ません。有機質を植物が吸える無機質に分解してくれるのが乳酸菌や麹菌、納豆菌や酵母菌などの微生物たちなのです。 ぼかし肥料は米糠などの有機物を微生物の力で予め分解発酵した肥料なので植物がすぐに吸収出来て速効性があります。また、ぼかしの語源となった、肥料効果を『ぼやかし(マイルドにし)』てあるので肥料当たりする事もありません。 自家製ですので自分で好きな様に材料を配合できます。今年はお茶っ葉カス、コーヒー豆カス、入浴剤として使用した後の米糠、卵の殻もコーヒーミルで細かく砕いて入れました。有機物の多様性が微生物の多様性に繋がると思うからです。 購入資材も使いますが、多くは身近な資材や家庭から出るゴミを循環しているので、ゴミの削減やサステナブルな稲作に少しは役立っているかなぁ〜 と自負しています。 菜の花米は化学肥料に頼らず、微生物の力を思いっきり借りて稲の栄養にしています。 《海のミネラル〔にがり〕が美味しさを加速します》 盛盛の田んぼでは初夏の頃に《にがり》を用水に垂らせて田んぼに流し込みます。にがりはお豆腐を固めるのによく使いますが、舐めると飛び上がるくらい苦いです。 にがりの主成分はマグネシウムで、農業の世界では『苦土』と呼ばれ、味を良くする肥料として知られています。それもそのはず、マグネシウムはクロロフィルつまり葉緑素を作る原料なので、光合成が盛んになり美味しくなるわけです。 盛盛の田んぼではマグネシウムを化学合成した苦土肥料ではなく、海水から食塩を取り除いた残り物のにがりを薄めて流し込みます。にがりにはマグネシウム以外にも微量元素が多く含まれ、これが稲を元気にしてくれます。 太古の昔、海の中で生命体が誕生しました。そして、細胞の中に海を閉じ込める事が出来るようになって、陸に上がる生物が現れたと言われています。生命の起源は海にあります。 《株と株の間隔を広く取り、お日様と風に味方してもらいます》 慣行栽培では、1坪あたり60株〜70株程、1株あたり5〜6本植えますが、盛盛の田んぼでは、1坪あたり40株、1株あたり2〜4本しか植えません。これは疎植栽培と言われます。 疎植とへの字は相性がよく、気温が上がり稲の栄養吸収が活発になる頃に一気に茎を太くし、株を広げます。 疎植は1株あたりの面積が広いので稲がのびのびと株を広げられます。株元に光が射しやすく、風通しが良いので病気になりにくいのです。 密植は株元に光が射しにくく風通しが悪いので病気になりやすく、これを防ぐ為に農薬が必要になります。 疎植への字栽培は、気象条件の悪い年でも影響を受けにくい栽培方法なのです。 《盛盛の田んぼには応援団がいっぱい居ます》 除草剤は田植えの後に1度と、多年生雑草が生えたところだけはスポット散布しますが、それ以外の農薬は使いません。 殺虫剤、殺菌剤を使わないので、盛盛の田んぼの中には役に立つ子もたたない子も含めて小動物がたくさん居てにぎやかです。 田植え直後には野生のカモが泳ぎに来ます。 豊年エビは名前からして縁起がいいです。この子は上からでは分からないけど横から見ると背泳ぎしている不思議な子です。シルエットはバルタン星人みたい。 亀くんは芸術家、地上絵を描いて愉しませてくれます。ついでに稲の根を切るザリガニとかも喰ってくれます。 赤とんぼ、学名はアキアカネといいますが、梅雨時分にヤゴが稲を登って来て、背中がぱっくり開いて中からアキアカネが頭から反り返る様に出て来ます。これが羽化です。羽化したては真っ白でまるで妖精のようです。 羽化しても羽根を広げて乾くまで飛べないので抜け殻のヤゴに掴まって羽根が乾くのを待ち、徐々に黄褐色に変わります。 空には絶好のエサ場を逃すまいとツバメがたくさん舞っています。可愛らしいツバメがこの時ほど憎くらしく思えるときはありません。自然界は冷酷なんだと改めて実感します。 産まれてすぐのアキアカネは黄褐色なので赤とんぼと気付かない人が多い様です。無事にツバメの目をかいくぐったアキアカネは、千メートル級の山に上がり、暑い夏を山で過ごしたあと、秋になると里に降りて来るそうで、その頃には真っ赤になるんだそうです。 稲にとっての害虫はなんと言ってもカメムシ。穂が出たすぐはもみの中はまだミルク状ですが、これをカメムシが吸いに来ます。吸われたところは雑菌が付いて黒く変色します。コレがカメムシによる斑点米で1,000粒に1粒程度なら米の検査で1等貰えますが、2粒3粒有ると2等になって等級が下がってしまいます。つまり価格が下がります。 最近流行りの色彩選別機はコレを弾くのが主な目的のようですが、盛盛の菜の花米は色選を通しません。でも農産物検査で1等が貰えているので、1,000粒に1粒程度で収まっています。 理由は、盛盛の田んぼの応援団が超強力だからです。蜘蛛やカマキリやカエルくんが悪い虫をやっつけてくれるからです。それもこれも農薬を撒かないので益虫が死なないで元気に活躍してくれるのです。 盛盛の田んぼは、田んぼの応援団の活躍により、色彩選別機要らずの田んぼです。(^^) もっとも害虫は自分のことを害虫とは思っていないでしょう。 また餌になる害虫がいなければ、益虫も来ないでしょう。 害にも益にもならないただの虫も、生命の多様性を構成する重要な生態系の構成員です。 害虫を排除するために薬を撒けば、益虫もただの虫も死んでしまい、生態系は壊れます。 多種多様な生命活動が営まれている中では、特定の害虫が大発生するというような事は起きないようです。 それが田んぼの本来の姿だと思っています。生態系が安定していれば農薬使わなくてもきれいなお米が採れますし、色彩選別機も必要でなくなります。 盛盛ができる手出しは、カメムシが好む畦の草をこまめに草刈りして、畦に寄ってくるカメムシの数を減らす。その程度です。 ▼産地の特徴 近江米の産地、滋賀県は環境保全型農業の先進県 全国の特別栽培農産物の栽培基準はその地域の化学合成農薬および化学肥料の使用量を慣行の5割以下に削減する事が要件となっていますが、滋賀県の環境こだわり農産物の認証要件は、これらに加えて濁水の流出防止など、琵琶湖をはじめとする環境への負荷を削減する技術とセットになっています。 その歴史は昭和52年に琵琶湖に赤潮が発生し、その対策のために2年後に定められた琵琶湖富栄養化防止条例にまで遡ります。 環境こだわり農産物を県が認証する制度は平成13年に県独自で始まり、やがて国が制度を取り入れて特別栽培農産物認証制度へと繋がっていきます。 SDGsで環境保全型農業が注目される昨今ですが、滋賀県はその遥か以前から環境保全型農業に取り組み、現在では環境こだわり米の作付け面積は約45%、全国の約2割を滋賀県が占めています。
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