奈良県山辺郡山添村

大久保守

里舎

野菜

奈良県の東、大和高原の標高430メートルの高地で農薬も化学肥料も使わない農法を続けて、今年(2017年)で32年になります。

■農家になった理由

小学生の頃、家の近くの水田で見た光景がきっかけです。
6月ごろだったと思います。田んぼに赤い三角形の旗が立っていました。
農協のおじさんが、「田んぼの中に入らないでね」と。
田んぼの中では、カエル、タニシ、ドジョウなどが死んでいました。小川に行くと、ナマズ、フナ、コイなどが浮いていました。

その後、1960〜70年代に発売されたレイチェルカーソンや有吉佐和子の著作を読んだとき、その理由が理解できました。

そして、1985年、32歳の時。
「自分の体は自分で守る」
「本当に体にいいことは、旬のものを食べること」
そう考えて、自分で食べる野菜を自分で作り始めました。

■生産方法や生産物のこと

農薬・化学肥料は一切使わず、露地栽培です。育つのは、小さくて虫食いのある野菜。
しかし、その野菜が本来育つ季節に、無理なく自然に育った野菜です。雨を知っている、風を知っている、太陽を知っている、自然いっぱいの贈り物です。

そんなに多くの量は作れませんが、お客様のニーズに合った品種選びをしています。伝統的な品種だけでなく、最近人気のイタリア野菜も栽培していて、東京のいくつかの理解のある飲食店でも使っていただけています。


平飼い鶏もいます。
野菜と同じように、鶏本来の自然な生活をしています。太陽が昇ると起き、暗くなったら寝ます。毎日1時間は小屋から出て、草や虫を食べています。

餌も自家製です。材料は、糠、こごめ(小粒で食用にならない玄米のこと)、自分で海で釣ってきた魚、その釣り場でもらってくる牡蠣殻、生野菜、ゴマ、井戸水。ゴマだけは友人の店で購入していますが、他は全て自分で育てたり調達してきた素材です。

ストレスのない健康な鶏が生む有精卵は1日15個ほどしかとれませんが、近所の醤油屋さんのお醤油と一緒にたまごかけご飯にして食べています。

■地域や暮らしのこと

2008年には、祖父が住んでいた古民家を活用して、1日1組限定の農家民宿をはじめました。

ただ泊まるだけではなく、石窯を使ったピザ焼きをしたり、五右衛門風呂で体の芯から温まったり、餅つきをしたり。若い方にも楽しんでいただきたくて、いろいろな体験ができる農家民宿にしました。

民宿がある山添村は、人口は約3800人、しかも年100人ペースで減っている過疎の村です。このままでは30年後には消滅してしまうかもしれません。
しかし、縄文時代草創期の遺跡が出土するような歴史のある土地です。大阪や名古屋からバスで来ることもできるので、ぜひ遊びに来てください。


■栽培している作物(予定)

春(4〜6月):インゲン、ウスイ豆、スナップエンドウ、ほうれん草、小松菜、サニーレタス、ブロッコリー、カリフラワー、イチゴ

夏(6〜8月):キュウリ、ナスビ、トマト、ニラ、ピーマン、シシトウ、紫シシトウ、オクラ、ゴーヤ、ジャガイモ、タマネギ

秋(8〜11月):インゲン豆、トウモロコシ、ナスビ、キュウリ、ピーマン、カボチャ

■主な納入先(2017年1月現在)

・コインサイド様(東京都渋谷区)
・デイライトキッチン様(東京都渋谷区)
・カーサ ヴィニタリア様(東京都港区)
・ペル グラッツィア デル ソーレ様(東京都千代田区)
など