熊本県水俣市
冨森識弘 | Tomimori Citrus Garden
不知火(デコポン)
2022年8月に熊本県水俣市で高齢で辞められる不知火(デコポン)の園地を承継していただき新規就農しました。当時42歳でした。
元々熊本出身であるものの、県外の大学に出て、石油会社に入社したため、20年近く熊本は離れていました。
石油会社では国内は東京、千葉、福岡、広島、海外はインド、タイと2~4年おきに拠点を変え飛び回っていました。海外志望が強かった私にとって、活躍の場を与えてくれたこの会社には感謝しかありません。
一方、30歳を過ぎて、東日本大震災、熊本地震、そして両親の他界など私の人生にも強いインパクトを残す出来事が相次ぎました。
会社員時代は年に1度くらいは帰省していましたが、賑やかだった田舎は帰るたびに人は減り、だんだんと寂しくなる。それまで当たり前にあった田舎の光景が失われて行くことに不安を感じるようになりました。
私には二人の娘がいますが、私が転勤族として仕事を全うしても少々のお金以外娘たちに残すことは何もないのではないかと考えるようになり、より厳しい時代環境で子供達や若い世代が幸せに生きていくためにも、もっと私自身が挑戦したいとの思いから、迷った挙句、37歳で石油会社を退職しました。
地元熊本の主要産業である農業に興味はあったものの、何の知識もなかったため、一旦農業ベンチャーで働き情報収集しました。紆余曲折がありましたが、本当にいいご縁に恵まれ、水俣の地で素晴らしい園地を譲り受けることが出来、農業を開始しました。
不知火(デコポン)を栽培する園地は海と山に囲まれた温暖で柑橘栽培に最適な場所です。ここでは半世紀以上柑橘栽培が続けられています。
私はまだまだ未熟ですが、長年に渡って愛情をこめて栽培されてきた先代の気持ちが詰まった樹木を精一杯大切に育てています。加えて、自然の恵みである暖かい太陽の光と豊富な水を存分にうけています。人の長年の思いと自然の恩恵で栽培される不知火(デコポン)が皆様のお手元に届くのが楽しみです。
また、栽培の傍ら、「地方移住と農業を人生の選択肢に!」をテーマに農業ツーリストを随時受け入れています。決して、アクセスの良い場所ではありませんが、一人でも多くの方が実際に水俣の地に足を運んで頂き、お会いしたいと思っています。
私自身地方に移住し農業を始めて、視野が広がりました。田舎にきて視野が広がるというのも変な話な気がしますが、実際そうです。果樹栽培に加え、農業ツーリストの宿泊施設等やりたいことが広がっています。いい中年のおじさんですが、夢に向かって日々精進中です。
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