東京都三宅島

神戸晴行

神戸農園

アシタバ

伊豆諸島の三宅島で特産品である「あしたば」の栽培をしています。
東京都杉並区出身、平成3年生まれの29歳です。
村の長期農業研修を経て2019年の6月に独立しました。
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【島に魅せられて】

学生の時に農家でのアルバイトの経験があり農業を好きになりましたが、卒業後は普通に就職し会社員をしていました。
いつかは農業をやってみたいと考えていたので休日に貸し菜園を利用したり、地方に援農に行ったりしていました。
 
2017年の夏に三宅島で短期の農業研修に参加し、そこで出会った人や島での暮らしにすっかり魅了され移住を決めました。
そして移住後は村の制度を利用し長期研修生として就農を目指す日々を送りました。島で生産されている作物の栽培や管理の実習を一通り行い、長い間耕作されていなかった畑を村に紹介してもらい、開墾して明日葉の作付けをしました。

【あしたば(明日葉)とは】

セリ科の多年草であり、伊豆諸島をはじめとした海岸地域に自生する日本固有の植物です。
今日芽を摘んでも明日には新しい芽が出るというほど生命力が強く、「明日葉」の語源となっています。
青汁にもよく利用され、最近は健康野菜としても注目されています。

【太陽と水だけで「あるがままに」作る】

三宅島は古来からのあしたばの原産地であり、私は自生する環境に近い状態で栽培しております。
当園のあしたばは東京都の特別栽培農産物基準である「東京都エコ農産物認証」を取得しています。
認証区分は【東京エコ50】(5割減)ですが当園では開墾以来化学合成農薬不使用、化成肥料は収穫が始まるまでの育苗期間に限った使用(慣行基準より5割以上減)とより厳しい基準を設けて運用しております。

現代の品種改良された野菜では農薬も肥料も使用せずに栽培を行うことはとても難しいです。ですがあしたばは農薬や化成肥料が発明される以前から存在する固有種であり、また病害虫にも強く自生地であれば土地を選ばず育つため私は「何も加えない、何も引かない」設計で栽培しております。

【噴火と共に生きる島、三宅島】

三宅島は東京から南に180㎞に位置し年間の平均気温が約18度、降水量が約3000ミリと温暖で湿潤な気候に恵まれた島です。
有史以来たくさんの噴火を繰り返しており、2000年の噴火では4年を超える全島避難が実施されました。
悪いイメージにとらえがちな「火山」「噴火」ですが、火山が作り出した迫力のある景色、長い年月をかけてできた火山灰を含む土壌、そして噴火を経験しながらも立ち上がり力強く生きる島民がこの島の誇りです。

ですが農家は高齢化が進み、私のような若い世代はほとんどいません。
加えて離島であることによる物流の制約や台風などの自然災害によるリスク、機械化できない小規模農地などの事情により島の農業をめぐる現状は厳しいものとなっています。
課題は山積していますが、ネット販売など工夫した経営を行って島の農業が魅力あるものになるように努めてまいります。