佐賀県伊万里市

松本 啓

素ヱコ農園

佐賀県伊万里市で一人農業に励むばあちゃんに孝行したいと思い、大学を卒業してすぐ、ばあちゃんの住む伊万里で農業をスタートしました。

素ヱコ農園の松本です。




ばあちゃんとは、中学から高校の6年間、一緒に二人で暮らしていました。

ばあちゃんの住む伊万里は田舎でしたが、自然豊かでのびのび暮らせるので、僕はそこの暮らしが好きでした。

悲しいことは、僕が大きくなるにつれて、どんどん人がいなくなって荒れていく田畑が増えたことです。

そして、多くの友達も、高校を卒業したらほとんど伊万里から離れていきます。

まさに、教科書に書いてる「過疎化」が進む場所でした。



「なんとかしたい」

そう思い、大学中に農業の最先端と言われるオランダに留学しました。

そこで、自分たち人間にとって都合の良いだけでなく、地球のことや社会のことを考えた「sustainability」の大切さを学びました。


大学を卒業してすぐ、企業に就職せずに、農業をスタートしました。

正直、めちゃくちゃ悩みました。

だって、東京の大企業に内定もらっていたし、ばあちゃんは稼いでいるわけでも、そんなに大きな土地を持っているわけでもなかったからです。

でも、ここでなんとなく就職したら、一生後悔すると思って、意を決して伊万里で農業を始めました。

最初は土地探しからでした。

いろいろ探してみて、やっと山の中に、耕作放棄された金柑の畑のハウスを見つけました。

「ここは使える」

そう思って、この土地を使えるように、いろんな人たちに話をしました。

でも、市役所の方々や地元の方々に止められました。

だって、そこは草木が生茂り、ゴミがたくさんあり、猪の住処になって、人が簡単に入れるような場所じゃなかったからです。

僕は、決めてました。

「地球に優しいような農業をしたい。
そのためには、まず、養鶏をしよう。

なぜなら、餌も自分で作れるし、その糞も肥料にできるから」

その金柑畑は養鶏をやる上では山に囲まれていて、台風の心配も少なくとても良い場所でした。


だから、みんなから反対されたけど、僕は諦めきれずに、たくさんの反対を押し切ってスタートしました。


「3年かかるぞ」

そう言われました。

最初の2ヶ月はゴミ拾いと草刈りで終わりました。
大学卒業してすぐの仕事です。

しかも、給料は出ません。

やってもやっても終わりがない毎日でしたが、必死でした。

そして、片付けがある程度終わって、これから作るぞってときに、クラウドファンディングで140万円調達し、養鶏場を完成させることができました。

苦労してできた養鶏場です。

こだわりの卵は、非常に好評で、ふるさと納税やネットをはじめ、地元の直売所や定期購入の方も多数います。

農業を始めて間もないですが、たくさんの方のおかげて、今日も元気に日が暮れるまで外で農作業できています。

衰退していく田舎で、挑戦していき、もっと自分らしくいられる人を増やしていきたいです。

ちなみに、素ヱコ農園とは、僕のばあちゃんの松本末子から名付けた名前です。


素でいることを大切に、そして、その気持ちが循環するように。

そういう、思いが伝播する農園でありたいと思います。