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野村俊介

兵庫県神崎郡神河町

野村俊介 | 株式会社仙霊

煎茶、ほうじ茶

皆さんこんにちは。 兵庫県の真ん中、神河町という場所で「仙霊茶」という300年以上の歴史を持つお茶を作っています。 ◆農家になったきっかけ 私は35歳まで普通にサラリーマンをしていましたが、同級生が自然栽培で農業をしている事を知り「先行き不安なこれからの世界で、機嫌よく生きていくにはこれなんじゃないか?!」と思い、会社を辞めて農業の世界に飛び込みました。 農業を始めたばかりの頃は生姜とゴマを作っていました。 好きな食べ物だったので。 そうこうしている時に「神河町に廃業しそうな茶園があって継承者を募ってる」と聞いて、茶園を何の気なしに見に行った所、茶園の景色に感動して、思わず「継ぎます」と言ってしまいました!笑 ◆農産物にかける思い 「仙霊茶」は享保元年(1715年)にこの地で栽培が始まり、享保10年、京都にある「宝鏡寺」というお寺にその名をつけていただきました。 お茶は元来、薬として重用されていました。現代のお茶は嗜好品としての役割を強めています。現代の日本茶はとりわけ「旨味」を重要視する傾向にあります。その旨味を豊かにするためには、肥料をたっぷりとお茶の木に与えることが重要です。しかし、過去にはその多肥が行き過ぎて、土壌劣化や水質汚染に繋がってしまった事例もあると資料で読みました。 (H21年5月 農林水産省「茶生産における施肥の現状と課題」) そのように茶の木や土、水に負担を強いた育て方は・・・とても美味しいです(笑) 我々は、自然界にあまり無いものを「とても美味しい」と感じるように出来ているはずだからです。先人達のお茶育成研究の努力の結実でもあります。でもそれは、強い刺激を伴っています。毎日飲むものではなく、特別な時に飲むくらいでいいんじゃないかと思っています。 私は、お茶の持つ「薬」としての役割の部分を重要視し、農薬や化学肥料を用いずに、茶園周辺の山河に育まれたお茶の育成を心がけています。そうすれば、300年前に「仙霊」と名を貰ったのに相応しいお茶が出来上がってくれると思っています。 ◆目標・夢 あまり大仰な夢はありませんが「あわい(間)」を大事にしています。 山河は、人の手が一切入らなければ荒ぶり、人間が住む場所ではなくなってしまいます。農業は、人と山河の「間」にある気がします。山河にも無理をさせすぎない、我々も無理や我慢をしすぎない。でも放っておかない。 このあわいの感覚を大事にしていけば、この地で300年続いたお茶の栽培を、300年後にも継続させることができるのではないかと思っています。 とにかく茶園は素晴らしいので、ぜひ遊びに来てください!
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