◆”うかのわ”の岡崎仁志です。 愛媛の中予地方、重信川流域の中腹あたり、古くから稲作が盛んだった地域で、主にお米、そして、麦、玉ねぎや里芋など、この土地の気候風土に合う作物を育てています。 化学肥料も有機肥料も一切不使用。農薬も必要ないため、使用しません。 高齢化により次々と増えていく離農農地を引き継ぎ、自然栽培のお米を作り続けていきます。 良質の美味しい農産物を生産し、作り手も食べる人も、大地も自然も豊かになる、農業の実現を目指します。 ◆自然栽培を始めた経緯 食べ物の品質を追求しはじめた2010年。 以来、食べる人も、作る人も、自然環境も豊かにできる農業を模索した先に、自然栽培という農法にたどり着きました。 この自然栽培は、化学肥料も有機肥料も肥料分は施さず、土と作物が本来もつ力を発揮できる環境を整え、適宜手をかけることで、十分足る恵みを与え続けてくれるという理想的な農法でした。 早速自然栽培の現場に飛び込んだ2010年。 可能な限り自給分の野菜を作って食べて暮らしつつ、様々な生産者から学び、技術を培う中で、適地適作の見極めと、適切な栽培管理により、自然栽培でも高品質で十分な収量が得られることに確信を得たため、2018年4月より、愛媛県松山市の道後平野、重信川流域の中腹あたりの高井町、空海が杖を突いて湧いたと言われる泉のある水が豊富な土地で、稲作を軸とした農業をスタートしました。 ◆うかのわの自然栽培の特徴 ・無肥料・無農薬 重信川の氾濫により 元来地力が豊かなこの土地では、土と作物が持っている力を発揮できるよう環境を整え、適宜手をかけることで、作物は十分な恵みを与え続けてくれます。よって、化学肥料も有機肥料も使用せずに作物を育てています。 健全な環境でたくましく育った作物は病害中に負けることなくそれらとも共存して育ちます。 農薬はデメリットしかないため使用しません。 ・自家採種 作物を育て、種をとり、翌年その種を蒔き、自家採種を何世代も続けていくことで、この土地の気候風土に合った、この土地ならではの個性ある在来種となります。そのため、自家採種を欠かしません。 ・二毛作と輪作 収穫した田んぼの裏作に、もち麦や玉ねぎを栽培する二毛作も実践しています。 土の状態によっては裏作をせず休ませたり、大豆や里芋などの輪作をはさむなど、種々の作物の個性を活かし地力を維持します。 自然栽培の収量は、肥料・農薬を使う農法よりは劣りますが、自然環境と食べる人と農家の幸せを満たすには十分な量です。自然の則を超えず、自然の営みのペースに経済を合わせる時代だと考え、これからの新しい農業のあり方を提案していきます。 ◆今後の夢 自然栽培のお米は、一般の稲作と比べて手間がかかるため高価ですが、うかのわのお米の価格は、自然栽培としては安値で販売しています。 この販売価格が実現できるのは、無農薬の稲作で最も労力を要する除草作業を、田んぼに生息する生きものを活かし、除草作業を大幅にカットしているためです。 中でも強力な助っ人がジャンボタニシです。 この土地にはジャンボタニシと呼ばれるタニシが生息しており、田植え直後の稲を食べてしまうため、一般的には有害生物扱いですが、うちは代掻きと水管理を工夫することで、田植え後の苗の食害を回避し、生えてくる草を全部タニシに食べてもらっています。 そのため、除草剤を使わずに草が生えない状態を実現でき、草取りの手間を大幅に削減できることと、この土地では二毛作が可能なため、田んぼの後作にもち麦や玉ねぎなどを作れること、その他様々な技術的工夫による増収で、この価格での販売が可能となりました。 それでもまだ普段普通に食べて暮らすには高価です。 数年中に農地が増え、設備を整え合理化することで、さらにお求めやすい価格に、そのうち手に負えないほどの農地が集まるにつれ、農業をはじめる百姓仲間を増殖し、設備や出荷場の共有と結の作業により、本当によいお米を、普段食べて暮らせる価格で、多くの方に提供できる未来を目指していきます。 この土地の稲作は、今のところ自然栽培しか未来へ繋げられる農法はなく、なんとか自然栽培稲作の営農モデルを確立し、百姓を増やし、離農農地は全て引き受け、ここら一体を自然栽培の稲作で元気にしていきたいです。 本当によいお米を、お求めやすい価格で、買い手も作り手も自然環境も豊かになる農業が当たり前の時代へ向け、着々と進めていきます！