静岡県伊豆市

鈴木昌弥

鈴木しいたけ園

原木しいたけ

静岡県で椎茸栽培をしている鈴木昌弥です。
もともと農家だったのですが、曾祖父がしいたけ栽培を始めて、私で4代目です。


【公務員から農家へ】
思春期の頃、都会への憧れもあって、農家として働く親を「カッコ悪い」と思っていましたので、卒業後はサラリーマン(公務員)の道へ進みました。
公務員時代は、しいたけからは離れていたのですが、ある時、しいたけを買ってくれた知人から、「贈答用として送るほうも鼻が高い」や「すばらしい仕事だから今後も続けてほしい」などのうれしい声を聞きました。

そんな中、改めてしいたけを食べてみると、旨い。
それまで、何も考えずに食べていたしいたけ、いつも食卓にあったしいたけが、とにかく旨かったんです。
昔に比べて品種も改良され、よりおいしくなっていることもあると思いますが、その評判を聞いてから、初めて気付いたんだと思います。
私の中で、食卓の端役だったしいたけが、脇役へ、それから主役へと、どんどん好きになっていきました。

それから、自分で作って食べたいという思い、栽培ノウハウ・環境を絶やしたくないという思いが強くなり、公務員を辞め、しいたけ農家を継ぐことを決意しました。


【原木しいたけ】
私たちの栽培方法は、昔ながらの原木栽培です。

材料は、しいたけ菌と、木、そして水。
原木林を伐採し、適度な長さに切った原木にしいたけ菌を植菌します。
あとは、しいたけ菌が育つのをひたすら待ちます。
菌が十分育ったら、雨、風、寒さなどの季節のめぐりに刺激を受け、しいたけ菌は発生の準備をします。

そして、原木を一晩水に浸けてから数日置くと、発生を始めます。

また、乾燥しいたけに使うしいたけは、水に浸けずに、そのまま山へ並べます。
その後、自然の影響をもろに受けながら、自然に発生を始めます。
自然発生したしいたけは、特にたくましく、肉厚で大型になります。

自然由来のものしか使わず、天然に近い原木しいたけ。
「自分のこどもや大切な人に安心して食べさせられる」という自負を持って生産しています。


【里山を守る仕事】
原木しいたけ栽培は、昔からこの地域で営まれてきた産業ですが、後継者不足で衰退が進んでいます。
原木林を伐採すると、切り株からまた芽がでて、原木林に戻ります。
後継者が不足すると、原木林を伐採する人がいなくなり、木が大きくなりすぎるため、小さな木は枯れ、大きな木のみ生き残りますが、いずれは弱り枯れていきます。

この栽培方法は、地域の里山を適切に伐採し再生させることで、豊かな里山の資源を後世に残すことができ、その里山の恵みから経済的に地域が継続することができる、持続可能な社会の一つを担うものと考えています。