冬が終わりを告げ海が穏やかな日が増えるようになると、海水温が上がり、深場にいた魚が沿岸に寄ってきて漁獲される魚種も豊富になります。北限の産卵場を有するマダイ、秋田が元祖のギバサ(アカモク)等が旬を迎えます。
国内流通量の8割ほどを養殖マダイが占める中、男鹿半島沿岸は、全国的にも数少ない天然マダイの好漁場。男鹿市では毎年5~6月に「男鹿の鯛まつり」が行われ、飲食店や旅館などでさまざまな天然マダイ料理が楽しめる。秋田の漁師は、全長14cm未満のマダイは漁獲しないほか、水揚げ金の一部を拠出して稚魚の放流を行うなど「つくり育てる漁業」や資源管理に取り組んでいる。
※「つくり育てる漁業」とは、水産資源の増大とその持続的な利用を図るため、卵から稚魚までの時期を人の管理下に置いて生産・育成し、天然の水域へ放流したうえで、適切な管理を行う漁業のこと。
「刺し身」のほか「タイ飯」「タイ茶漬け」など。
ダシと具材を入れた杉製オケに熱した石を入れて沸騰調理する豪快な男鹿の漁師料理「石焼鍋」もご賞味あれ。
刺し身
タイ飯
タイ茶漬け
見張ったような大きな目を持つ。メバルの仲間で、秋田県内では「テリ」「アカテリ」とも呼ばれる。身が薄いピンク色をしているのは、小型のエビ類などをエサにしているため。体内で卵をふ化させて稚魚を産む「卵胎生」という珍しい生態をもち、春に生まれた稚魚は流れ藻を利用して成長する。体長が2cmを超える頃、藻場や岩場に移動し、その後、水深50~120mの岩場で生活する。
春に稚魚を産んだ後、初夏にかけて脂がのってくる。「刺し身」にして食べるのが定番。ほかに「塩焼き」や「煮付け」、小ぶりのものは「から揚げ」など。
刺し身
塩焼き
煮付け
秋田では「キバサ」と呼ばれ、古くから食される郷土食材の一つです。風味高い磯の香りと、シャキシャキとネバネバの食感は癖になります。栄養価が高く、健康にも美容にも良い「海のスーパーフード」として注目されています。春のアカモクは、最も香りが良く、粘り気が強いのが特徴。この時期に収穫し冷凍保存して加工します。
クセの無い味が特徴のアカモクは、シンプルに酢醤油や、生姜醤油で。また、同じネバネバ系のオクラや納豆にも良く合います。熱いお味噌汁や、ラーメン・うどんのトッピングとしてもおいしいです。
酢醤油和え
オクラ、納豆などのネバネバ食材と
お味噌汁、ラーメン、うどん