【ワールドカップ&半夏生記念】ミズダコづくしのタコパーティーで豊作と日本の勝利を祈願します!
今夜はサッカーワールドカップ日本代表の決勝トーナメント初戦! そわそわしながらお仕事中の方も多いのではないでしょうか。一方、我らが日本の暦の上では、2018年7月2日は「半夏生(はんげしょう)」。田植えが終わり梅雨が明け、農作業もつかのまのひと休みができる日です。豊作を祈願してタコを食べる風習がある地域があるそうです。ん? タコといえば、最近日本を賑わせているタコがいたような……。ポーランド戦の結果も見事当てて、的中率100%!(6/29現在)もはや全国区となったラビオ君のミズダコ 占い!決勝リーグも占っちゃいますよ〜!観覧自由なので、お近くの方、北海道内の方、いやいや全国のラビオ君ファンの皆様!ぜひともお越しくださ〜い!https://t.co/OUev27MVvv pic.twitter.com/r7MnBmnZLp— 元祖タコ箱漁オーナー2018inおびら (@takobako_obira) 2018年6月29日そう、北海道小平町で、予選リーグの日本戦勝敗をすべて的中させたラビオ君です!ワールドカップと半夏生がミズダコでつながった、奇跡の2018年夏。せっかくなので、今年の豊作と日本の勝利を祈願して、昨年公開したまるごとミズダコ食べ尽くしパーティの記事を再掲載します。みなさまも、今夜はたこ焼きパーティーしながらテレビ観戦してみてはいかがでしょうか~。* * *北海道・小樽の漁師、高野粋さんが採ったミズダコを一匹まるっと捌き、すべて調理して頂こうという夢のある会、それが「まるっとミズダコパーティー」。そんな大胆かつ魅力的な会が、とある日曜日、ポケットマルシェ東銀座オフィスにて開催されました。参加者は小学生から大人まで総勢11名。賑やかなパーティーの模様を送りします。巨大ミズダコをまずはじっくり観察まずは箱の中からタコを取り出す御開帳タイム。「でかい!!」「エイリアンみたい!」思い思いの感想を述べる参加者たち。これだけの立派なタコを丸々一匹目のあたりにするのは、参加者のほぼ全員が初めての体験でした。参加者のひとり、小学3年生のハルトくんが試しに持ち上げることに。「お、重い…!」小学生の頭の大きさを優に上回るタコの重さは、なんと2.7kg! 小樽のタコ漁では漁獲制限により、2kg以下のものは逃さなければならないそうです。そんな環境で、大きくなったこのミズダコは蛸箱漁で採られました。蛸箱漁とはその名の通り蛸の住処となる箱を海底に沈め、自ら箱の中に入ってきたタコを引き上げる漁法。タコには箱の色や材質などに好みがあるそうで、高野さんはどんな箱がタコに好まれるのか試してもいるそうです……。水揚げされたミズダコはすぐに高野さんの自宅にある作業場で茹でられます。茹で加減は漁師の家ごとに様々で、高野家では「レア」な茹で加減にこだわりがあるとのこと!届いたタコはカチコチに凍っているので、すぐ使いたい場合は流水にあてて溶かします。台所の流しではおさまりきらなかったので、今回はお風呂場で解凍しました!完全に解凍せず、芯が残るくらいで止めるのがコツです。全部使いきれるかな? 調理作戦会議雄々しいオーラを放つタコを囲んで、調理の作戦会議がはじまりました。タコ丸ごと一匹を使いきるため、事前に考えておいた5品のタコメニューはこちら。①たこ飯②カルパッチョ③たこわさ④アヒージョ⑤たこ焼き、の、全5品です。「あの部分をああして、こうして…」皆で指をさしながら、賑やかに相談すること数分。メニューそれぞれに使用するタコの部位が決定しました。主に足の部分をカルパッチョ、たこわさ、アヒージョで利用し、それ以外の部位はたこ飯とたこ焼きで活用する作戦となりました。大人も子供も大はしゃぎ 解体会解凍が終わったタコはとても美しく、時間を忘れて観察してしまいました。さて、タコの口はどこでしょう?タコのトレードマークでもあるひょっとこ似の部分は「漏斗」と呼ばれる器官。ここから水を勢い良く吐き出し、その反動で移動するのだそう。本当の口は、8本の足(触手)の付け根にある黒い部分です。整然と並ぶ吸盤。何時間でも眺めていられそう。よく見ると、足の先が切れています。海の中で敵に襲われ、喰われたのでしょうか……。このタコにも、いろんなドラマがあったのでしょうね。さて、観察が終わったら、解体の開始です!「わ、スッと切れる!」足部分に包丁を入れた瞬間、驚きの声が上がりました。それもそのはず、思っていたよりも包丁が通りやすく、サクサクと切れてしまうのです。スムーズな刃の通りに、順番に包丁を回して全員が解体を体験しました。足が切れたら次はタコの胴体にあたる袋(外套膜)の部分。縦に包丁を入れると、こちらもすんなり切ることができました。内臓は外されているのでご安心を。「中ってこうなってたんだ」大人も子供も、皆が目を輝かせてタコを見つめる解体会は、意外にもあっという間に終わりを迎えました。 待ちに待った宴が始まる… 実食タイム解体したタコをさらに料理用に切り、全員で調理を進めること小一時間。オフィスに胃袋を刺激する旨味たっぷりの香りが満ちました。全員のお腹が鳴りかけたころ、炊飯器から「たこ飯」炊きあがりの合図が……。炊き上がったたこ飯は、本日の影の主役:栗又さんのレンコンの葉っぱの器に盛り付けます待っていましたと言わんばかりに、グラスを持って「乾杯!」タコ料理とレンコンの葉っぱのコラボレーションが実現!お待ちかねの実食タイムの開始です。「わーっ、おいしい!!」オフィス中に幸せなため息が溢れました。共同作業の後に食卓を囲めば、初対面のひととも和んだ雰囲気に。コリコリとした身には旨味が凝縮されており、噛めば噛むほど味わい深いに変化します。銀座で茎わさびを買ってきて作った「ゆでダコのたこわさ」は、やっぱりちょっと違いました(笑)。でも美味しかったので良し!柔らかすぎず硬すぎず、絶妙な歯ごたえにパッと笑顔が溢れます。和洋様々な料理に活用した丸一匹のミズダコ。それぞれの料理の主役として立派な役割を果たしており、同じ素材ではあれど、飽きることはありません。左は「セロリとゆでダコのカルパッチョ」。右は「マッシュルームとゆでダコのアヒージョ」。お腹が空きすぎて写真がブレてしまいました…。夢中になりながら、それぞれの料理を味わう参加者たち。まるっと一匹を捌くところから調理まで行ったので、その美味しさもひとしおです。合計90個?! 怒涛のたこ焼きラッシュタコといったらたこ焼きパーティー、そう決まっているのが世の常というもの。余った部分を細かく切り、他の料理を作るのと同時進行に作っていきます。2000円くらいで調達してきた「たこ焼きメーカー」に、溢れんばかりのぶつ切りのタコ!一般的なたこ焼きといえば、実はあまりタコが目立たないことが多くあります。しかし今回のたこ焼きは違いました。「これはまさに、タコを食べるための”たこ焼き”」素材の味がしっかりと強いため、ソースやマヨネーズといった調味料をかけずに、パクパクいただいてしまいました。大きなタコも、ちゃーんと球の中におさまりました!作りながら食べを繰り返すこと1時間以上。材料がやっとなくなった頃に作ったたこ焼きの数を数えると…「90個は焼いたんじゃない?!」にわかには信じられませんでしたが、改めて数えるとやはり90個近くものたこ焼きを焼いて食べた計算に!それぞれのタコ料理とたっぷりのたこ焼きをたらふく食べて、これ以上ない多幸感に包まれ、「まるっとミズダコパーティー」は幕を下ろしました。最後にタコは普段から何気なく口にしている食材のひとつです。その一方で、まるっと一匹を捌いて調理するのはなかなか行わないこと。仲間と家族と、ひとつのこだわり食材を最初から最後まで味わい尽くす時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。意外な発見や味の深さに驚くことになるかもしれませんよ。高野さん、ごちそうさまでした!今回の登場食材はこちら!①誰もが認める今日の主役!北海道の高野さんのミズダコ。丸ごと一匹のタコはすべて一点もののため、早い者勝ちですよ。小樽産 茹でタコ 2.3㎏(冷凍)小樽産 茹でタコ足2本 2.3㎏(冷凍)現在の高野さんの出品状況は、こちらのページからご覧いただけます。※ポケマル運営局から、ご購入上のご注意今回使用した2.7kgのタコ購入は、約1ヶ月前から高野さんにお願いをして、できるだけ小さめのものを取り置きしていただくことで実現しました。小樽では2kg未満のタコは獲ってはいけない規則になっており、漁でどれくらいの大きさのタコが穫れるかは漁師さんにもわかりません。理想より大きいサイズのタコになってしまう可能性も高いです。ご購入の際は、思い通りのサイズのタコが獲れなくても、どうにかして使い切る気合と覚悟が必要です。その点をご理解いただいたうえで、漁師さんに相談してみてくださいね。きっと、一生語り尽くせるタコ体験ができるはず!②影の主役……。茨城県の栗又さんのレンコンの葉っぱ。残念ながら、今季の販売期間は終了してしまったようですが、お皿にしたり、飾りにしたり、あなたの想像力次第で活用方法は無限大!葉っぱと蓮のお花が散ったあとのめしべの部分。美しいです。荷葉 レンコンの葉 つまもの※この記事は2017年9月8日に公開した記事を加筆修正したものです。ライタープロフィールおおしろ実結筑波大学芸術専門学群卒業。在学中にデザイン事務所勤務を経験、卒業後は報道系企業に勤務する傍ら、個人名義での執筆活動を続ける。自転車と旅をこよなく愛し、どこでも寝られる体質を存分に活かし奔放に取材へ向かう。離島へひっそり渡航するのが生きがい。2012年に短編小説『常套的ノスタルジック』が筑波学生文学賞 大賞を受賞。2016年に執筆したルポタージュ『ワニ族の棲む混浴温泉』が宣伝会議 編集ライター講座大賞を受賞。現在は女性向けWebマガジンや美容師ZINEで執筆中。公式Webサイトはmiyuo10qk.wixsite.com/miyuoshiro
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