【農業女子】「お客さんと繋がったらいいっちゃん!」農家の嫁 くわの由美さんの挑戦
日本で衰退の一途を辿りつつある第一次産業、その世界で額に汗して活躍している頼もしい女性達がいます。それが“農業女子”。本特集では、その“農業女子”にスポットを当て、彼女たちの生き様、農業に対する心意気、農作物への愛情やこだわりなどをご紹介していきます。農家の…嫁、主婦、妻、母、ひとり4役今回ご紹介するのは、良質な農作物の産地として知られる福岡県福津市、玄界灘を眺める山の斜面で、お米・いちご(あまおう)・キャベツなどを栽培している、くわの農園の 桒 ( くわ ) 野 ( の ) 由美さん(50歳)です。撮影;山本美千子@webmadam料理人であったお父様の元に生まれ、そのお父様の仕事の都合で九州圏内を転々とした幼少時代、病弱だったこともあり「土でもいじくれば元気になるくさ」と農業高校へ進学、そこで現在のご主人と巡り合い、卒業して2年後に由美さんは“農家の嫁”となる決意をします。ところが、嫁いでみればそのご主人の家は、なんと福津で17代も続く筋金入りの大農家。祖父母まで同居している大家族の中で、新米の“農家の嫁”は、妻、母、主婦…ひとり4役、大奮闘の日々を過ごしてきました。お客さんと、つながったらいいっちゃん!そんな中、由美さんは、農家としての問題に直面します。「おんなじように手間ヒマかけて大事に育てたのに、ちょっと形が悪いとかで、捨てらないかんくなってしまうとよ、もったいなくてねー!」従来の農業+販売の仕組みの中では、一定の基準に満たない農作物を、引き取ってもらえずに廃棄を余儀なくされるいう、農家の現実。そんな中、日々の小さな出来事や農家の悩みなどを記録する場として、2004年に自身の手でホームページを開設、農作業や主婦業の合間に発信を始めたブログは、12年経った今でも1日に3~6回の更新を続け、次第にくわの農園の「農業+販売」に変化をもたらします。「そうやん、お客さんとつながったらいいっちゃん!そしたらうちに買いに来てくれるかもしれんやん!」私だって、消費者のひとり。頻繁に更新されるブログやSNSを通じ、徐々に固定客も増えてきた現在。「私だって、色んなモノ買う消費者として生活しよるっちゃもん。皆は何が知りたいっちゃろ?て、いっつも考えようとよ」消費者が、知らないこと&知りたいことを積極的に発信し、ダイレクトに感想を聞けるようになったことで、出荷する商品へのラップのかけ方やシールを貼る位置にも工夫を凝らす由美さん。福津の山の“農業女子”は、小さな気配りと思いやりに溢れた、ステキな女子なのです。美味しく食べてもらいたいとーっ!由美さんが発信する情報には、日々の畑での農作業の様子や、農作物の成長などに加え、愛情込めて育てた“我が子”ともいうべき食材を、“美味しく食べてもらう”ための知恵や工夫もたくさん詰まっています。稲刈りしたばかりの新米を美味しく炊くコツ、玄米を短時間で炊くウラ技、自家製の米粉を使った風変わりなスイーツの作り方・・・他にも、いちごが実をつける過程の中でミツバチの働きがどんなに大切であるか、いちご狩りに行った際に一番甘いイチゴを見分ける方法、などなど、食に興味のある方はもちろん、初めて訪れた方でも読んでいるだけで楽しめる“美味しいエッセンス”がたっぷりと詰まっています「同じイチゴの苗でも長男(長女?)として実をつけたイチゴが一番甘いとよ~!ネコの手にゃん♪ってしてちぎってあげたらイチゴが傷つかんけんね~」「鶏肉ちゃちゃっと炒めて、キャベツざく切りしてそのまま上からフタするみたいに焼いて、はい、おかず1品出来上がり~!」農業、家族、農作物、自然、食、料理・・・そして、食べてくれる“誰か”のことも。食を通じてつながっているすべてに対し、惜しみない愛情と手間ヒマかけてくれる…それが、“農業女子”桒野由美さんの魅力ではないでしょうか?そんなくわのさんの新米はこちらから。購入後はぜひ、くわのさんとの会話も楽しんでみて。平成29年度産新米・特別栽培米【白米】4.5kg平成29年度産新米・特別栽培米【玄米】5kgくわのさんのページへ
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